ジオテキスタイルによる粘り強い強化防潮堤開発委員会の委員公募のご案内

 東日本大震災では、東北地方太平洋沿岸の広範な施設に甚大な被害をもたらしました。特に、防潮堤は、コンクリート構造物の堤体が破損や倒壊、基礎の浸食などの被害を受けるとともに、緩勾配の盛土堤防も保護ブロックの剥離や堤体の浸食が発生し、後背地への津波浸入を適切に防ぐことができませんでした。このような災害の実態を受け、国土交通省と農林水産省は想定する津波の規模を2段階に設定して、堤防を越える津波の可能性を認めた「粘り強い堤防」の整備を展開していく方針を打ち出しております。しかしながら、その具体的な要求性能や構造が明示されているものではなく、断面設計を実施する上で数多くの解決すべき課題が残されています。

 その一つの有力な解決法として、柔構造物であるジオテキスタイル補強土工法を海岸堤防における「粘り強い堤防」に適用することも十分可能であると判断するところです。本委員会では、これに関する技術情報集積、整理を行いつつ、海岸堤防に関する補強土利用のサンプル(具体的な断面図集など)を含めた技術情報を積極的に発信することが急務であるとの認識に立ち、地方自治体やコンサルタントの現場設計者に補強土工法を用いた堤防の耐震性と津波に対する耐久性や設計・施工を適切に理解していただくために、標準的な設計・施工マニュアルの整備についても検討を進め、実質的に現場設計者の設計業務の技術支援も視野に入れていくことを考えております。今回の復興工事は、緊急性や公開性が従前以上に必要であることは言うまでもなく、加えて新規性の高い技術を提案する上で、学会の使命がより問われるものと理解しております。このテーマに積極的に取り組もうと考えておられる方のご参加をお願い申し上げます。参加希望の方は、下記の連絡先に、氏名、所属、連絡先(住所、電話、FAX、メールアドレス)を記載のうえ、ご連絡お願いいたします。
なお、公募締め切りは8月15日までと致します。

1.委員会名称
ジオテキスタイルによる粘り強い強化防潮堤開発委員会
委員長:東京理科大学理工学部土木工学科 菊池 喜昭 教授

 
2.活動期間と委員会開催予定
平成24年8月~平成25年9月 第1回委員会 8月末開催予定 
以降2ヶ月ごとに1回の委員会を開催予定

 
3.活動方針
   津波に対する粘り強さを発揮できる堤防を実現するための「ジオテキスタイル強化防潮堤」設計・施工標準マニュアルを提案することを最終目標とし、委員会内に設計、施工等の小WGを設置し、具体的作業を進める。

連絡先: 西村 淳(三井化学産資株式会社 環境資材事業部)
Fax 03-3837-5818
E-mail Jyun.Nishimura@mitsui-chem.co.jp
〒113-0034 東京都文京区湯島3-39-10 上野THビル



update:2012/7/25