IGS NEWS 抄訳


VOL.15,No.2,JUL.1999

(室蘭工業大学工学部/木幡行宏)

IGS会長からのメツセージ(PP1〜2) IGS会長 Bathurst教授
 今回のIGSニュースでは・学会に拙1て進行中の多くの活動をお知らせする。特に、最近議論されている重要な課題やいくつかの活動および今後の予定について記述する。

・lGS本部の移転と郵便投票

 IGSは、1983年にスイスで非営利団体として登記されたが、スイスの法律では、コーポレートメンバーを持つ非営利団体には課税される。IGSの会計士や弁護士は、IGSは、アメリカでは登記非営利団体として納税を要求されないことを進言していた。したがって、事務局はIGS移転に必要な手続きを進めてきたところであるが、移転に伴い、会則を変更する必要がある。会則の変更については、1999年8月にIGS会員に送られる郵便投票によって是非を問うこととする。
・国際会議
 IGSは、ジオシンセティックス関係の国際会議の後援をしばしば要請され、IGSのロゴは、現在、多くの国際会議のブレティンやプロシーディングスに品質記号のように現れている。後援に対して、10会議がIGS会員の優待登録費の設定を申し出ていることは喜ばしいことである。
・IGS支部
 IGS会員の約90%は支部の会員である。IGSの成功は、地方、地域レベルでの支部活動に関係していることはよく知られているが、IGSスペイン支部が、現在、創立準備中であり、今後の報告を期待している1999年4月に開催された理事会において、IGS支部活動を支援するための基金を設立することが承認された。毎年の支援金は、各地域の支部に登録されているIGSコーポレートメンバーの数に100USドルを掛けた金額となる。さらに、新規にIGSコーポレ-トメンバーが登録されると・その都度、支援金として500USドルが支払われる。また、理事会では、各支部の地域的な支援者である企業や協会の貢献に対する感謝を示すために、次号のIGS名簿にこれらの企業や協会を記載することが了承された。これら地域企業はコーポレートメンバーと混同してはいけない。コーポレートメンバーには、IGS名簿に広告スペースの与えられ、毎号のIGSニュースに掲載されるとともに、IGSニュースでの企業紹介やホームページにおけるリンクの許可、lGS会議での優待制度などが与えられている。
・教育
 事務局および理事会では教育を重点課題としている。各支部で米国運輸局(FHWA)のジオシンセティックス設計・施工指針を受け取ったとの報告を受けたことは嬉しいことである。現在、FHWAパッケージの付録のスライドが複写されており、各支部に1セットが送られる予定である。IGSとFHWAが複製を認める場合に、各支部でFHWAのマニュァルとスライドを複製することが認められる。なお、IGSにおいては、3本目の教育ビデオを作成中であり、1999年に完成予定である。
・lGS賞
IGS会員には・1999年12月1日までにIGS賞の推薦を御願いしている(p.5参照)。これらの賞は、ジオシンセティックス分野の発展に技術的に貢献したIGS会員こ送られる最高のものである。

ジオシンセティックス'99、ボストン、成功裡に開催(pp2〜3)
 ジオシンセティックス'99には、世界各国から1506人の参加があった。会議は、国際工業織物協会(IFA1)、北米ジオシンセティックス学会およびジオシンセティックス材料協会で組織され、IGSの主催で開催された。参加者は、テクニカルセッション、マーサーレクチャー、キーノートレクチャー・ワークショップ、展示会およびツアーに出席した。理事会は、1999年4月28-30日にボストン世界貿易センターで開催された。3日間の会議のテーマは、「ジオシンセティックスの規定と設計詳細の開発」であった。(なお、紙面の都合上、以下は省略するが、下記の項目について会議の内容が詳述されている。)
・キーノートレクチャー
・展示会
・テクニカルセッションおよびワークショップ
・会議終了後ツアー
・講演論文集
講演論文集は、1133頁で2冊分がCD-ROMに収録されており、150USドル(郵送料、手数料別)でIFAIブックストア(lFAIのホームページ: http://www.ifai.com、ジオシンセテイツクス'99の講演集について
: http://www.ifai.com/news/geo99/index.php3)から販売されている。


NAGS学生論文コンペ:優秀表彰 (p.4)
 ジオシンセテイツクス'99会議において、北米ジオシンセティックス学会学生論文コンペで、5人の学生に対して優秀表彰が行われた。最優秀学生論文賞は、Dave L.Walters君(カナダ、オンタリオ州キングストン市、クイーンズ大学土木研究科の大学院生)で、500USドルが与えられた。論文タイトルは、""Repeated Loading of Reinforced Finite Depth Granular Materials"である。

IGS基金 新学生プログラム
 IGS理事会は、学生のための新プログラムを承認した。将来のlGSの会員組織や指導者を育てるために、プログラムはIGS地域および国際会議の学生出席の資金である。規約は委員会で策定中であるが、1999年10月には事務局で原案を検討することになっている。取りあえず、4年で5万USドルの予算が組まれており、地域の委員会及びlGSの管理で支部レベルで執行される。各支部で選抜された学生には、ユーロジオ2、ジオアジア2、ジオ2001および第7回国際ジオシンセテイックス会議への参加に対して資金援助される。各支部、1名の学生に、総額2万5千USドル(2年間)の中から各支部に分配される資金によって与えられる。

2000〜2004年IGS理事候補の公募 申請期限は2000年1月31日(pp.4〜5)
 IGSの会則では、2年ごとに理事の半数の公選を規定している。郵送無記名投票による選挙は、4年の任期満了の理事を対象として2000年5月に行われ、新理事は2000年7月から就任する。以下の8名の理事が2000年6月に任期満了となる。赤木理事(日本)、Christopher理事(米国)、Chuug理事(韓国)、Lawson理事(マレーシア)、Lafleur埋事(カナダ)、Paul理事(英国)、Scuero理事(イタリア)、Varma理事(インド)IGSの会則では、Bathurst教授とCazzuffi氏は、それぞれ会長、副会長であるので自動的に理事会メンバーとなる。彼らは2000年に再選のための立候補はしない。さらに、会則では2期連続で理事を勤めてよいことを規定している。今回は、Chung理事、Lafleur理事、Paul理事、Scuero理事、Varma理事が該当する。選ばれるのは8人の理事メンバーで、IGS会員のみが理事の資格を有する。候補者は、年1回開催される理事会に出席可能でなければならない。


1996〜99年IGS賞の公募推薦期限は1999年10月1日(pp.5〜6)
 1996年から1999年の4年問の、ジオテキスタイル、ジオメンブレン等に関する、個人またはグループのすぐれた研究業績の応募を受け付ける。IGS奨励賞は今年末に36歳未満である者が対象となり、IGS賞は年齢に関係なく応募できるが、グループは4名以下で1人以上がIGS会員であることが条件である。推薦は、自薦、他薦何れでもよく、委員会や支部でもよい。推薦期限は、1999年10月1日・審査のための資料提出は、同年12月1日までである。表彰委員会は会長が指名する5名の委員で構成される。詳細はIGS事務局まで。

IGS会則変更に関する郵便投票(p.6)
 4月の理事会において、lGS本部を米国に移転することが決定されたが、移転に際して会則の変更が必要である。同時に、他のいくつかの条項が変更される。15年問、IGSはスイス、ジェノバに登記されてきた。それは、lGSの初代会長、Charles Schaerer氏がスイスであったことと、スイスは創立したばかりの学会にとって適切な停泊所であると思われていたからである。しかし、IGSが育つにつれ、スイス政府によって納税義務が命じられ、事務処理が煩雑になってきた。スイス政府の解釈によれば、IGS会員には商業的活動をしているメンバーが含まれているのでIGSには、免税資格を与えられないということである。事務局および理事会では、最善の方策を議論してきたが、IGSの公認会計士と同様に、米国およびスイスの弁護士のアドバイスに基づいて、事務局と理事会は・米国にlGSを移転させることを提案する。すなわち、lGS本部の登記およびIGS事務局員の所在地を、スイス・ジェノバから米国、サウスカロライナ州イースレイヘの移転の提案である。本件に関して、1999年夏に、以下に示す条項の変更とともに郵便無記名投票用紙にて投票を御願いすることとなる。(以下省略)

IGS理事会議事録 1999年4月(pp.7-8)
 1999年4月7日・米国、マサチューセッツ州ボストン、シーポートホテルおよび会議センターにてジオ,99会議開催中に理事会が開催された。会議の出席者は、Bathurst会長、Jones前会長、Cazzuffi副会長、Voskamp会計士・Stevenson幹事、赤木理事、Christopher理事、Chung理事、Collin理事、Corbet理事、Delmas理事、Gourc理事、Heerten理事、Lafleur理事、Palmeira理事、Paul理事およびRimoldi理事である。主な議題は下記の通り。 IGS名簿について、IGS賞について、IGSが後援する国際会議(IS Kyushuの後援が承認された)。
IGS本部の移転について、会計報告、委員会報告(スペイン支部、教育委員会、標準化委員会)、その他。なお、次回理事会(2000年10月15〜18日、ユーロジオ2会期中、伊、ボローニヤ)


2006年開催予定の第8回ジオシンセティックス国際会議一主催を募る(p8)
 ICSは、2006年開催予定の第8回ジオシンセティックス国際会議の運営を組織し、主催することに関心がある支部あるいは団体を歓迎している。ホスト国として興味がある支部あるいは団体はぜひ、IGS幹事にご連絡ください。

レイモンド教授NAGS業績賞受賞(P.8)
 カナダ、オンタリオ州キングストン市のクイーンズ大学、レイモンド名誉教授が北米ジオシンセティックス学会(NAGS)の業績賞を受賞された。本賞は、ジオシンセティックスの鉄道への先駆的な適用とジオシンセティックスの技術の開発に対する多くの貢献が認められて与えられたものである。授賞式はボストンで開催されたジオ'99において行われ、NAGS前会長で、lGS会長、さらにはレイモンド教授の弟子でもあるBathurst氏より渡された。

マッゴーン教授マーサーレクチャー受賞(pp.8〜9)
 スコットランド、ストラスクライド大学のマッゴーン(Alan McGown)教授が、1998〜1999年度のマーサーレクチャーを受賞した。マーサーレクチャーは、ジオシンセティックスの技術的発展に最も貢献した者に与えられ、2年問で世界中の指定された場所で受賞者の研究を講演する機会が与えられる。マーサーレクチャーは、英国、テンサー杜の創設者であるブライアンマーサー博士(Dr.Brian Mercer)にちなんで名付けられた。マッゴーン博士の第1回目の講演は、1999年4月にボストンで開催されたジオシンセティックス'99において、"種々の地盤工学的適用におけるジオシンセティックス補強土の挙動"と題して行われた。

ユーロジオ2一第2回ヨーロッパジオシンセティックス会議(p.1O)
 イタリア地盤工学会と国際ジオシンセテイツクスイタリア支部の主催で、第2回ヨーロッパジオシンセティックス会議、ユーロジオ2が、2000年10月15-18日に、伊、ボローニャにて開催される。

CEN TC189会議一ドイツ(p.11)
 CEN TC189(ジオテキスタイルとその関連材料)の第2回会議が、ドイツ、ニュルンベルグにて1998年12月1〜4日に開催された。主な論点は、GCLはジオメンブレンか、あるいはジオメンブレンの関連材料のどちらに分類されるのか、または、新しいカテゴリーを「ジオメンブレンとその関連材料」の下に創設すべきか否かについての議論であった。

以下、紙面の都合上、内容を割愛させて頂くが、下記の項目について、記述されている。

北米ジオシンセティックス学会ニュース(pp.11-12)
IGS公式誌"Geosynthetics1nternational"(P.12)
IGS公式誌"GeotextilesandGepenbranes"(p.13)

IGS支部ニュース(pp.13〜14)
日本におけるベントナイトライニンクシステム 長谷川誠氏(pp.4〜15)
会社紹介 LYS Fabrics SA(p.16)

 

※IGSニュースは、下記から電子ファイルでダウンロードできます。
http://www.geosyntheticssociety.org/
(左のフレームの「IGSNews1etters」からリンクされています。)